720ml
純米吟醸
アルコール度数 16度
日本酒度 0.5
酸度 1.6
香露(こうろ)純米吟醸は、熊本酵母発祥の蔵が誇る一品です。熊本酒造研究所が長年培ってきた技術とこだわりを凝縮し、丹念に作り上げました。
熊本酒造研究所
「熊本県酒造研究所」には2つの顔があります。ひとつが「きょうかい9号酵母」の元株でもある「熊本酵母」を維持・管理する研究機関の顔、そしてもうひとつが「香露」の醸造元としての顔です。
1909(明治42)年、県産酒の酒質向上を目的とし、県内の蔵元らの呼びかけによって立ち上げられた同研究所。当時の熊本は、御国酒として愛飲されていた赤酒から、清酒醸造へと移り変わろうとしていた時期でもあり、熊本の酒づくりを進化させるための結束だったことがうかがえます。以来、初代技師長に就任した野白金一氏による野白式天窓や袋吊り、二重桶方式をはじめとする技術開発や、蔵元への指導などが行われてきました。1952(昭和27)年に野白氏の手によって分離培養された「熊本酵母」は、日本醸造協会の「きょうかい9号酵母」として頒布されることとなり、全国の酒造りにも生かされています。
こうした研究所の歴史や技術力が詰まっているのが「香露 純米吟醸」。「麹米は酒米・山田錦を45%まで精米し、阿蘇の伏流水で仕込みます。穏やかな吟醸香で、米の旨味を残した飲み飽きない食中酒。冷やしても燗(かん)にしてもよく、幅広く楽しめます。特に酢の物など酸味のある料理と好相性で、私は梅肉のせたハモの湯引きに合わせるのがお気に入りです」と製造担当の小田卓治さん。
煙突と銅像
かつては蔵からそびえる高さ22mのレンガ造りの煙突が地域のランドマークでしたが、2016(平成28)年の熊本地震で倒壊。3~4m残っている根元部分は、研究所の歴史を物語る存在として保存するそうです。蔵の前庭には、台座を含め高さ約3mの野白金一氏の銅像があり、“お酒の神様”の功績に思いを馳せることができます。